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平盛 裕子先生 (医)ひのうえ会 高の原すずらん内科  院長

平盛 裕子先生

糖尿病合併高血圧とARB

 2007年の国民健康・栄養調査では糖尿病が強く疑われる人と可能性を否定できない人を合わせると2210万人を超えました。

糖尿病治療の目的の一つに合併症の発症、進展の阻止があります。中でも糖尿病網膜症は糖尿病患者さんの日常生活に大きな影響をおよぼすばかりか、失明の原因の上位といわれているため、発症予防、進展抑制のための方策が求められています。これまで血糖コントロール、血圧コントロールの重要性が叫ばれてきました。

昨年ARBによる糖尿病網膜症の発症予防、進展抑制を検討した「DIRECT試験」が発表され、カンデサルタンが網膜症のない1型糖尿病での発症予防と、早期の網膜症の出現した2型糖尿病での網膜症進展抑制に有用であったことがはじめて示されました。

さらに、登録された症例が正常血圧または正常にコントロールされた高血圧患者さんであったことから、わが国では降圧薬として使用されるカンデサルタンが網膜症発症・進展予防にも有用であることが考えられます。

2型糖尿病の多くには高血圧も合併しているため、1型、2型を問わず、糖尿病患者さんをよく指導して早期から血糖と血圧コントロールを目指すことが私たち臨床医にとって大切であり、合併症の発症進展予防につながると考えます。

またDIRECT試験で用いられているカンデサルタンの用量は16ミリから32ミリと高用量でした。このことから、今後、糖尿病合併高血圧治療にはARBを使用するとともにその高用量投与を検討していくことも必要と思われます。