CVD [Cardiovascular Disease] CVDの日本人のエビデンス集まる

BMI 肥満症とメタボリックシンドロームを科学する

レクチャーミーティングコメント

小室 一成先生
千葉大学大学院医学研究院
循環病態医科学教授

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肥満と心疾患


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心臓からみた肥満の問題点

WHOは、「肥満は、最も目に見えて、しかしながら放置されている公衆衛生上の問題の一つである」と述べている。肥満は高血圧、高脂血症、糖尿病などを増加させ、また、心血管死を増加させるが、心臓の拡張、肥大にも影響を与えている。
アメリカの506名の住民調査で、高血圧もしくは肥満を有すると、左室が異常に拡張するオッズ比が上昇するが、この両者を合併した場合、そのオッズ比はさらに3.5にまで上昇する。これは心機能の悪化を反映していると考えられる。
では、なぜ、肥満があると心機能が悪化するのだろうか。これは、おそらく心肥大が原因であろう。Framinghan Heart Study においても、肥満が高度になるにつれ、心肥大が助長されている。20年前まで、心肥大は高血圧などに対する適応現象と考えられていた。しかし、心肥大を有すると心血管イベント、心血管死、総死亡は約2倍に増加する。一方、心肥大を退縮させると心血管イベントが減少することから、心肥大はやはり問題であることがわかる。
心不全になる原因については多くの説があるが、我々は虚血が原因ではないかとの仮説をたて、研究を行ってきた。その結果、肥大による血管新生がp53によって制御されることにより、虚血が引き起こされることが判明した。

専門医からの提言

最新のACC/AHAの心不全治療ガイドラインでは、心不全となる前の、高リスクの段階から心不全を発症させないための治療が求められている。このリスクの中には高血圧、糖尿病とともに、肥満も含まれており、肥満例においても心肥大、心不全の予防を念頭においた治療が必要である。
そして、高リスクの段階から、RA系抑制薬の使用が推奨されている。
CASE-Jから、同じように降圧をおこなっても、ARBブロプレスは、Ca拮抗薬アムロジピンと比較して、心肥大退縮に有意に優ることが明らかとなっている。心不全の予防の観点から、肥満を伴う高血圧に対しては、ARBブロプレスがベース薬となるであろう。

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